目次
- 1 奥行1140mmの施工事例 タンク付きトイレ
- 1.1 メーカー推奨の最小寸法は「奥行1160mm以上」
- 1.2 奥行が1140mmのトイレ(セキスイアパート)
- 1.3 トイレにコンセントを新設する方法
- 1.4 トイレにコンセントを新設する費用
- 1.5 トイレを外してからCFを施工
- 1.6 水道管が折れる…
- 1.7 床を開いてソケットを交換
- 1.8 ソケット交換、床下地を追加補強
- 1.9 給水管内のサビ出し
- 1.10 リフォーム用トイレの「排水アジャスター」とは?
- 1.11 フランジガスケットは、便器のソケット側に取り付けます!
- 1.12 排水ソケットと前面固定金具の固定
- 1.13 アメージュZリトイレ 施工完了
- 1.14 便器の先端と壁までが、390mm
- 1.15 まとめ
奥行1140mmの施工事例 タンク付きトイレ
メーカー推奨の最小寸法は「奥行1160mm以上」
タンク付きの普通便器の場合、本体の奥行は740~770mmが主流です。
そして、便器の先端から壁(またはドア)まで、400mmは確保することが推奨されています。実際、着座したり、立ち上がったりといった動作を不自由なくできるかどうかイメージしてみると、確かに400mmは必要だと感じることでしょう。
リクシル トイレカタログから引用
奥行が1140mmのトイレ(セキスイアパート)
築20年以上のアパートです。
初見の印象は「わぁ、狭いですね」でした。
実際、着座する動作を試してみると、なかなかの圧迫感があります。
ちなみに、コンセントが無いので、新たに設置する必要があります。
トイレにコンセントを新設する方法
部屋全体の電気工事と同時に先行します。
今回は、洗濯機用コンセントの配線から分岐しました。天井もクロスを貼り替えるので、天井ボードを450mm角くらいカットし、天井裏で分岐接続。配線は壁の中を通します。
このアパートの壁は、横向きに木下地が入っているため、サークルカッターでボードを切り、ボアビットで木下地に16~20mmの貫通穴を開け、電線を通します。その後、下地を追加してボードをふさぎ、写真のようにパテ処理していきます。
この物件では計5カ所ボードを切る必要がありました。手間はかかりますが、仕上がりとクロスの貼りやすさを優先します。日常化している作業ですので、すでに面倒だとは思わなくなっています。
トイレにコンセントを新設する費用
どこから分岐できるかによります。たとえば隣接する壁裏にコンセントがある場合などは、¥12,000~可能です。
この現場のようなケースで、天井から分岐してすべて埋設配線にする場合、単体での工事ですと¥25,000~です。弊社の場合、他の工事とまとめてご依頼いただくことがほとんどですので、全体で金額を抑えさせていただきます。
トイレを外してからCFを施工
クロス貼替、コンセント追加済み。木目柄のアクセントクロスを施工。
CF(クッションフロア)は重ね貼りしてありました。
水道管が折れる…
CFを貼り、トイレのフランジも取り付けて、止水栓を交換しようとしたら… の写真。
折れました。止水プラグをかけた時は大丈夫でしたが…
床を開いてソケットを交換
せっかくCFまで仕上げましたが、折れたソケットを交換するため、床を開口します。
サビ具合からすると時間の問題でした。むしろ今回折れてくれて良かったと言えるケースでしょう。
ソケット交換、床下地を追加補強
CFは、きれいに切り込みを入れてめくってあります。
便器で隠れるところでカットして、補修跡が全く目立たないように配慮します。
給水管内のサビ出し
配管に残っているサビを除去。元栓の開閉を何度か繰り返します。
リフォーム用トイレの「排水アジャスター」とは?
リクシルのアメージュZリトイレの排水アジャスターはこうなっています。現場の排水芯位置に応じて、この配管をカットし、配管位置を「アジャスト(調整)」できるのが特徴です。
リクシルの最新モデルの場合、200mm~580mmまで対応します。さらに別売オプションを使えば、120mmにもアジャストできます。
手順1 背面壁から排水芯までの寸法を測る
この現場の排水芯は、壁から230mmでした。「タンク裏面に給水取出位置がない場合」の型紙を使い、写真の位置にあてがい、230mmで印をつけます。
ちなみに、今の新築現場では、排水芯200mmが標準です。
手順2 カットしたアジャスター部と排水ソケットを接着、組立
塩ビ用ボンドをしっかり塗布して接着します。裏側から、切り口の上にもボンドを忘れずに。
フランジガスケットは、便器のソケット側に取り付けます!
手順3 フランジガスケット(粘土状)の取付
このガスケットをフランジ側(写真の右側、アイボリーの部材)に付けてしまうと、便器を固定する時に、配管をふさぐようにガスケットが潰れてしまうので注意。
過去に1度、配管側にはみ出たガスケットに汚物が引っかかりトイレが詰まったケースがありました。もしかすると、下のイメージ画像の印象から、説明書を読まずにガスケットをつけてしまう業者がいるのかもしれません。
排水ソケットと前面固定金具の固定
型紙を使い、左右の割り振りを確認しながら位置決めし、固定します。
インパクトドライバーで締め付ける時は、ディープ(深穴)ソケットを使うと便利です。
増し締めやタンクの固定には、10、12、13mmが一体になった「板ラチェット」がお勧めです。
横から見るとこんな感じで納まります。
ちなみに、床フランジは、敢えて15度ほどずらして固定しています。固定する際、フランジ(T型)ボルトが抜けにくくするためです。
アメージュZリトイレ 施工完了
壁に背中をつけて撮った写真がこんなイメージです。
賃貸ですので、温水洗浄便座はパナソニックのビューティートワレを組み合わせます。
便器の先端と壁までが、390mm
トイレ内の奥行 1140mm
便器本体 760mm
計算では380mmですが、目一杯背面に寄せたから?でしょうか、プラス10mmという結果に。
ドア側から見たイメージ
まとめ
物理的に広くできないお部屋でしたので、リフォーム前は気にされていましたが、
「最初からこの広さだと思って使うから、入居者は意外と気にならないかもしれない」との感想でした。
清潔で、新しい節水トイレで、温水洗浄便座が付いていれば、大きなデメリットにはならないのかもしれません。
「トイレの奥行が足りないかも」と迷っておられるお客様の参考になれば幸いです。